アキレス腱断裂その3

2020/12/01

12月2日
問診の際、先生からこのまま順調にいけば来週にも足の管を外して傷口を塞ぐということを言われる。先が見えた嬉しさももちろんあるが、塞いですぐ退院という訳でも無いだろうしまだ入院生活が続くのか、という気持ちと、これほど長期にわたって抗生剤漬けにしなければいけない自分の足が置かれている状況に対する驚きなど、様々な思いが浮かんできた。

12月3日
足の管を外してからどのくらいで退院できるか聞いてみた。管を外してそこを塞ぐだけだから1週間くらいでなんとかなるんじゃないかと思っていたが、少なくとも2週間はかかるとのこと。
うぇー、長っ。気持ちがしばらく整理つかない状態だったが、頑張らないと。
入院以来初めて、自力で(前日夜に下剤は飲んだものの)大便が出る。

12月10日
いよいよ足の管を除去し、空いた傷口を塞ぐ手術が行われる日がやってきた。そのまま縫うのかと思いきや、空いている箇所が大きい為、周りに切れ込みを入れて引っ張ってくる方法が検討されているのだそう。前日の説明では、それで上手くいかなければふくらはぎの皮膚を利用する方法(植皮)、それもダメなら肩など全く別の箇所から組織ごと移植して血管なども繋ぐような大手術になる(皮弁)と説明され、どんな大ごとになってしまうのかと少し不安な気持ちにもなったが、なるようにしかならないぞ、どんな状況になっても受け入れるしかないでごちゃごちゃ考えるな、と言い聞かせる。どうであろうと、俺にできるのは終始台の上で気を失って寝転がっている事だけなのだから(後ほど思った事だが、考えうる事態に対して種々の対策がきちんと検討されて備えられている、という事に安心すべきだったが、そう捉える余裕が自分になかったのだと思う)。
手術は2時間程度で終わったようだ。当初予定していた術式で上手くいったとのこと。前回ほど咳き込むこともなく、ダルさもさほど。
先生も「とりあえずこれでひと段落」と言っていたが、その表情からも経過は悪くなさそうな印象をうける。
ご飯も翌日の朝からちゃんと食べる事ができた。
足に3本あった管のうち、抗生剤を注入していた2本が除去されている。残るは傷口の治りを早めるために陰圧をかける(NPWTとかいうらしい)器械だけだが、それだけなら車椅子に乗せてベッドから移動できるようになる。
看護師の方たちにお願いしなくてもトイレにいけるし、1階にある売店にも行ける。
自力で動けることに嬉しさが止まらない。気持ちが上向くばかりだ。

12月17日
傷口に陰圧をかけていた器械が外される。
足にはくるぶしを固定するためのシーネと包帯のみに。1日3回行っていた抗生剤の点滴もこの日で終了した。

12月18日
11月25日の手術前に入ったっきりとなっていたシャワーが許可される。
だんだん日常が戻ってくるような感覚。退院が待ち遠しい。

12月23日
朝の回診で退院の許可がでる。
午前中のうちに退院することにした。
費用は5万いかないくらい。
まだ糸は抜けていないし横になっていないと刺すような痛さもあるが、どうせ大人しくしているのなら家のほうが嬉しい。

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